March 15, 2009

世界最大規模のビールメーカー「アンハイザー・ブッシュ・インベブ」(RB)は、日本の「アサヒビール」に「青島ビール」の権益19.9%を6億6650万米ドルで売却することを明らかにした。
RBは青島ビールのH株2億6157万株を1月22日、1株当たり19.78HKDで「アサヒ」に売却したという。
その日のH株終値から38%上乗せされた金額となった。
 
ビール市場の景気低迷により「RB」が青島ビール撤退
「RB」にとって、「青島ビール」のブランド価値と広い販売ルートは中国国内での重要な資産に位置づけられていた。しかし、2008年の国内ビール市場の成長率はわずか5.5%で2007年の13.8%を大幅に下回り、値下げ競争も熾烈化。収益率の低下の可能性を見据え、売却に踏み切ったようだ。「アサヒ」が権益19.9%を保有して「青島ビール」の第2位株主となる。
「青島ビール集団」は持ち株比率30.56%で筆頭株主の地位を維持。「RB」は7.01%に低下するが、当面これを売却する意向はないとしている。
 
「RB」の撤退は青島ビールの悪材料? 
青島ビール株売却のもう一つの理由としては、「RB」の財務状況が関係している。
「RB」の前身である「インベブ」は世界2位のビールメーカーだったが、2008年11月に米「アンハイザー・ブッシュ」を買収してから世界トップに浮上。しかし、世界経済の後退で、買収のために調達した資金の利払いが増加したため、財務負担軽減のために青島ビールの株式売却を行ったのである。
ビール業界にとっては国内市場を独占しつつあった「RB」から開放されるメリットが大きい。また、これまで大規模な進出ができなかった「アサヒ」に市場参入のチャンスを提供したともいえる。
「アサヒ」は、ビールの生産販売と原料購入で事業面の提携を行っていく意向を示している。また、青島ビールが持つ生産拠点と販売ネットワークを利用し、中国事業を急速に拡大したいと意欲を見せている。
 
両社は合計7億元で新会社「深セン青島ビール朝日有限公司」を立ち上げ、国内最先端の生ビール工場を建設。また、本拠の青島にも合弁会社を設立し、双方とも新合弁企業を通じて飲料生産を展開していく構え。さらに、アサヒでは青島ビールの日本市場での製品販売も支援していくとのこと。
 
「青島ビール」にとって株主交代のメリットは大きい。「アサヒ」の先進技術と経営ノウハウを新会社に導入することで国内トップの地位が揺るぎないものとなるようだ。消費マーケットとしては世界でも大きな日本市場への進出にサポートができたことも、同社の海外戦略に大きな一歩となる。
 
国内消費市場は当面、厳しい状況が予想され、今年は我慢の一年となりそう。ただ、将来のさらなる飛躍に向かって、同社は確実に進歩を遂げている。 


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