December 22, 2010

中国では学校教材の内容について、その質を問う論議が次第に熱いものになってきている。

偉人のエピソードや有名作家の作品を歪曲したりねつ造したりとその内容はひどいもので、学童の保護者の中には、表だってその内容を批評する者も現れ始めた。
盗作やねつ造が横行する教科書の劣悪さに、記事は「中国教育部と教科書編纂関係者は問題を正視すべき」と厳しい口調で訴えている。

歴史上の偉人の名をかさに着た“故事”の類は後を絶たず、これまでに魯迅、エジソン、始皇帝、諸葛亮孔明などがその犠牲となっている事実を確認済み。

オンライン作家の葉開(イエ・カイ)氏は、自身のブログ上で「教科書問題は(08年に発生した)汚染粉ミルク問題よりもさらに悪質」とし、多くの保護者らの賛同を募っている。
葉氏によると、国語の教科書は悲惨な状況となっている。
以前に息子の授業参観を訪れた際、「これは公然とした模造行為」と怒りを感じた。
調べてみると、教科書に採用されている多くの名作で、原作と内容が乖離した箇所を発見した。

葉氏とともに自助団体「第一線教育研究団体」を立ち上げた蔡朝陽(ツァイ・チャオヤン)氏は、08年の秋に教科書の出版社3社を訪問、現行の教科書には「4つの欠落」があることを発見した。

それは、「名作の欠如」「児童からの視点の欠如」「学ぶ喜びの欠如」「事実の欠如」である。

一部の出版社では、教育部の指導のもと、国内外の教科書を参照しながら新しい教科書の編纂方針を作成する準備にかかっているようだが、ある小学校の校長は「現状を変えるには、今ある枠組みを取っ払ってしまわないと難しい」とコメントした。

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