March 05, 2009

中国第11期全国人民代表大会第2回会議が開幕。会期中に2008年の中国経済発展状況報告、中央財政・地方財政予算審議など、6項目を審議し、記者会見が行なわれる予定で、国務院より、中国の金融危機対応策、経済の穏健な発展、外交政策と対外関係について、国内の就業促進、そしてGDP成長率の維持について発表が行われることになっている。
 
マクロコントロールの強化と改善で、経済の順調な発展を目論む温家宝首相

2009年はマクロコントロールの強化と改善、積極的な財政政策と、貨幣政策の適度な緩和により、いち早く景気の成長へと転換させ、経済の発展維持に努めるとし、中央財政の赤字予算は7500億元(約10兆8750億円)に加え、2000億元(約2兆9000億元)の地方債券を発行することで、歳出を大幅に増加して内需を能動的に拡大することを表明した。
 
GDP成長8%と失業率4.6%以内
2009年の経済目標として、GDP(国内総生産)8%成長、そして社会目標として失業率4.6%以内のコントロールを掲げた。さらに、都市部・農村部住民所得の安定化、CPI上昇率を4%前後とするためのマクロコントロールの強化、国際収支状況の継続的な改善と合わせて5項目が今年度の政府目標だと発表。
 
全人代開幕で、政策期待から中国大陸株式市場続伸
全国人民代表大会の開幕による政策期待が相場を引き上げた。
上海総合指数は2221.08ポイント、前日終値比1.04%上昇。
温家宝首相が経済の順調な発展を支持し、景気後退から経済の成長への転換に取り組むとの発言に市場がいち早く反応。非鉄金属では、国内先物市場の銅、亜鉛、アルミ価格の上昇、中国経済が回復への兆しを見せているとの観測から上昇。また、中国政府による国家的な非鉄金属備蓄の展開も株価上昇を後押しした。
中国アルミが0.52%、雲南銅業は3.35%高となっている。
 
銀行関係株では、国有企業の「中国投資会社」が、国内商業銀行株の持ち高を増やし、継続支援を行うとの観測から急伸。
中国招商銀行は3.29%高、建設銀行は2.63%高。
 
一方、農業、食品、医薬セメントでは、温首相の発言はこれまで報じられた政策であり、具体策について未だ明らかとなっていないことから、利益確定売りとなった銘柄もみられた。
そのほか、運輸、繊維、保険、不動産、自動車、石炭株などが上昇している。
 
中国政府の積極的な経済政策は、世界経済への影響力増大に繋がる
世界的金融危機で存在感を増す中国
世界経済の中に占める中国経済の影響力がどんどん大きくなっています。
09年には日米欧がマイナス成長と予想される中、中国が予定通り8%成長を達成すれば、飛びぬけた経済成長となりそうなのが中国経済です。
 
今回の中国政府が取っている経済施策は、昨年末から実施し始めた4兆元の政府支出(2010年までの合計支出)や、今回発表された5000億元の減税、7兆元の歳出予算など、非常に積極的な施策となりました。
これらの施策は中国政府の経済立て直しに対する強い姿勢を示し、世界経済の安定に貢献すると共に、今後の影響力増大は免れないようになってきました。
 
アメリカの方ばかりを向いている日本国家は、中国とアメリカが手を組んだときに、両国から見放され、世界経済から孤立してしまうのではないかとも考えられます。
 
そうならないためにも、冷静な目と、独自の判断力で、世界に対する助言をしていくことが重要ではないかと思います。


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