April 15, 2013

中国では銀行カードの普及率が14年間に及ぶ努力の末、38%に達したが、銀行カードは今後数年間で「過去の遺物」になる可能性が出てきた。

中国移動(チャイナ・モバイル)は長年準備を進めてきたおサイフケータイサービスを今月中旬にうち出すことを明らかにした。おサイフケータイとは、携帯電話が銀行カードの機能に取って代わるというもので、新型SIMカードをはめ込んだ携帯電話を、おサイフケータイ対応に改造した販売時点情報管理(POS)端末にかざせば、暗証番号を入力する必要もなく、ピッという音とともに支払は完了する。

おサイフケータイに必要な近距離無線通信技術(NFC)やSIMカードの伸びが著しく、おサイフケータイを取り巻く大規模なビジネス環境は整った。おサイフケータイは本物の財布を出すよりも素早く支払いができる便利なものだ。4月中旬から、中国移動の利用者は、営業スポットでおサイフケータイの機能を備えたSIMカードへの無料交換が可能になるという。

だが、おサイフケータイを利用するにはNFC機能を備えた携帯端末が必要。
中国移動は今月中に支払機能を備えたHTCとサムスンの端末3機種をうち出し、年内には数十機種をうち出す予定だ。米アップル社のスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone」にはNFC機能がないため、しばらくはおサイフケータイに仲間入りすることはできない。年末までに、多くの商店がPOS端末の改造を終え、おサイフケータイを利用できるところが大幅に増えるとみられ、小売、公共交通、レストランなどの分野への拡大が予想される。

中国では2011年がモバイル決済元年で、それから現在までの間にモバイル決済は好評でありながら定着せず、ビジネスとしての規模にも目を見張るものがなかった。昨年に中国のモバイル決済標準がやっと確定し、今年は大規模な商用の段階に入るのが必然的な流れだという。



(00:47)