May 01, 2019

家畜伝染病のアフリカ豚コレラ(ASF)が中国で猛威を振るっている。この伝染病は、豚にとっては致命的だが、いまのところ人に感染することはない。
アフリカ豚コレラが豚に及ぼす影響は恐ろしいものだ。感染した豚には発熱や下痢、元気消失といった症状が見られる。
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中国は世界最大の豚肉の生産国であり、最大の消費国である。
中国は2019年、アフリカ豚コレラの大流行により、国内で飼育されている豚の3分の1である、2億頭を殺処分することになると見られる。
中国の生産量の大幅な減少と需要の高まりは、世界の豚肉価格を高騰させそうである。



中国政府は、食肉処理場の検査を強化したり、感染地域の周辺に緩衝地帯を設定したり、生きている豚の移動を制限することで、感染拡大を必死に食い止めようとしていると報告している。感染拡大を防ぐため、中国ではこれまでに約102万頭の豚が処分されたと、農業農村部は4月に報告している。

政府はまた、感染を報告しなかった農家に対して、何らかの法的罰則を与えると、2019年1月に通知しているが、実際には多くの農家や生産者が感染を見落とし、もしくは故意に隠蔽し、流通させていると言われている。
さらに、死亡した豚が川や水路に積まれていたり、死んだ豚を埋めたにもかかわらず、掘り起こして裏流通させているという情報も。
未許可の処分場で感染豚を加工し、販売する事件や、検疫証明の手続きをごまかして感染豚を流通させる事件も複数起きている。

政府関連機関の発表によると、この伝染病に関連する刑事事件は32件、逮捕者は90人に上り、不法に出荷されるなどした生きた豚は1万5,000頭以上、豚肉と豚肉の加工製品は140トンを超えている。

中国人的には、どうせ火を通すのだから、人間が食べても死なないものだから、みすみすお金を捨てるわけにはいかないと考えて当然だ。
売るのも買うのも中国人。自分が儲かるために、世界的な危機は関係ないのである。
感染した豚肉は、すでに相当な量が出荷・流通している。

ASFは感染した豚との直接接触以外にも感染した豚肉を豚が摂取した場合や作業員の衣服や使用した器具、微量のウイルスが混入した飲み水からも感染する。豚や野生のイノシシは、家庭の生ごみから排泄物、他の豚の死骸までさまざまなタンパク源を摂取するため、飼育が低コストな半面、ASFの感染が広がりやすい。

地球上で飼育される豚の約半分の4億4000万頭が、家畜の感染防御策をほとんど施していない中国で飼育されている。この結果、致死率100%のASFの感染率が中国で現在も高まっている。さらに、陸続きの国境をまたいだ取引が継続しており、周辺国に感染が広がっている。

中国国内では、地域間の価格差で利益を得ることや、肉の鮮度へのこだわりがあり、現在も長距離の輸送が続けられており、さらに輸送された豚は到着後すぐに移動先の豚と一緒にされる。このため殺処分や市場の閉鎖、輸送制限などの政府による対策は全くできていないことになる。

中国政府は養豚業者に1頭につき1200元(約2万円)の損失補償をしているが、補償を農家に知らせず、搾取する共産党の悪い風習がのこっている地方政府もある。

中国で食品にASFウイルスが見つかったという公式の発表はしていない。しかし日本や韓国、オーストラリア入国の際に没収された中国製の豚肉製品にASFウイルスが確認されている。

中国国内での報道にも、規制がかかっているため、知らない人民も多いのである。



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